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by snow_ny
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Pacific Overtures ... 走り続けた150年...そしてNEXT?
Pacific Overtures

a0000896_15411924.jpgプレビュー観劇記録を書き足したので、
改めてUKayeさん、きょうブロ -Pacific Overtures
quastさん亜門版太平洋序曲B'way公演プレビュー開始
TBです。

場所は、Studio54。
黒に金色の彫刻の装飾の天井や柱が
なんともレトロな雰囲気を醸し出す劇場です。

宮本亜門氏の演出、水に囲まれているという白木造りの無駄のない舞台で、静粛の場面では、水の流れる音がします。
屏風の配置で場面の切り替えをしたり、照明だけで「家」や「塀に囲まれた屋敷街の帰り道」などを表現するあたり、とても簡潔で想像力を刺激される舞台だと思いました。


☆大江健三郎氏、小澤征爾氏による日本人論
同じ年に生まれて―音楽、文学が僕らをつくった」を思い出しました。
☆また、当時幕末の時代感覚・日本の精神風土を知りたくなり、
司馬遼太郎氏「この国のかたち」を...ゆっくり、ゆっくり、読んでいます。




↓↓↓

[物語]
独特な時代背景を背負った物語だけに、どこまで作品世界を理解できたか判りません...
一言で言えば...こんな感じでしょうか。
「黒船来航」を契機とした、欧米列強の力による外交に日本が翻弄され、
急激に西洋化する人、尊皇攘夷運動に身を賭する人などを容赦なく飲み込みながら、"
時代"という波が工業化、帝国主義、敗戦とその後の経済大国化に向かって進んでいく...

..."時代"というカタチのないものが大きな役割を果たすと見える物語だけに、
観客が共感したり、納得したりする"個人"の生き方・感情という部分
-例えば時代のうねりの中での、個人の悲哀、悩み、苦しみのような-
が弱いように感じます。

敢えて言うなら、力に屈し、五カ国と次々に片務条約を結ばざるを得なかった老中阿部の、個人(日本)の力ではどうにもならないもどかしさ...?時代に飲み込まれる個人を映し出してはいますが、彼自体が物語の中心ではないように思います。
では、時代の波にあっさり乗って、日々西洋化していく香山の浮き立つような、しかし根無し草のような姿?それとも、忘れられた日本の心を取り戻すべく、日々刀を研ぎ、剣術に励む万次郎?...どれもが組み合わさって時代の雰囲気を形作るわけで、必然的に個人の感情表現、存在感が弱くなるのでしょう。


[全般]
* 宮本亜門氏の演出...狭い舞台を最小限のセットで幾通りにも表現する手法。また見てみたいと思わせます。また、圧倒的な諸外国の力と威圧感・日本人の恐怖を表現するため、ペリーをはじめとする西洋人の格好を、「もじゃもじゃの髪、高い鼻」を誇張して表現したり、天井いっぱいに星条旗を広げて示したり。丁寧な舞台づくりだと思いました。

* 一方、俳優1人1人の個性が弱いようです。しかし、これは前述するように、物語の特徴・テーマに寄るところが大きいのでは、と思い始めました。

* 役といえば...日本では、ト書きを朗々と述べる役回りがあり、芝居に変化や面白みを与える役目を果たしますが、今回はナレーターが芝居の流れを止めているかも?と思えるところがいくつかありました。受け取り手の問題なのか、役にはまっていないのか...

* そして、適度な盛り上がりをつけにくい進行...1幕目は90分と長く、曲が続くともなく続いていくので、拍手をしたり感激したり、という区切りがあまりありません。(多くの曲の最後が、太鼓など静寂を示す音で終わるので、つい、かしこまって聞いてしまう...)いつ終わるのかなぁと時計を眺める人もちらほら見られました。

* というわけで...「何か面白いもの・曲・役者を"B'wayなるところ"で見てみたいなぁ~」という、私のごとき一般人を劇場に呼ぶこと(興行的な成功)は難しい作品なのかもしれないなぁと感じた次第ですが...舞台の演出がとても新鮮で、いわゆるB'wayの大仕掛けのショーとは一味違ったミュージカルを楽しみました♪

[最後のシーン:NEXT (勝手評)]
明治から、飽くことのない前進を続けた「名も無い"集団"」。
その脇に、香山夫妻が飄々と現れ出、悠然と釣りに興じます。

開国からずっと、時代のうねりに押されるようにして、走り続けてきた日本。
「外圧」に押されたり、統帥権の独走を許し、戦争の泥沼へと突っ走ったり...
黒船来襲の頃から、個人(日本というもの)を確立することなく、
以来、"顔の無い集団"として走り続けてきたのでは、という思いに捕われました。
⇒もちろん、幕末から明治にかけても傑出した個人はいたと思うのですが、
 本作ではそうした個人の心情表現や日本観に光が当たっていないと思います。


「失われた10年」、と言われて久しい今日この頃ですが、こんな時代だからこそ、
ちょっと立ち止まって...ゆったりと釣りに興じつつ...
本当は何を目指しているのか」、「何を求めているのか
150年目にして、1人1人きちんと考えてみるといいのかもしれません。
 ※2004年は、日米和親条約[1854]から150周年です
その答えが見えたとき...
NEXT」の匿名の群舞の中から、"魅力的な個人1人1人"が、
具体的な形を伴って浮かび上がってくるように思います。
⇒Nextの最後の方には個人名も挙がっていましたネ


(これは劇評なのでしょうか。謎...ですが、まあいいや)

[追記:心に残った曲]
Poem...少しずつ香山と万次郎が友情を深める姿を、香山の家路の途に、連歌を歌うということであらわしています。曲そのものにも優しさがあって好きですが、照明で屋敷街を演出する才が際立っていました。
Someone in a Tree...条約締結を木の上から見ていた少年の日の思い出を、老人が語る場面
Please Hello...なす術もないままに、列強(米・蘭・英・仏・露)と日本が修好通商条約を結ぶに至る過程をコミカルに歌います。UKさんが仰るとおり、あの長さは必要だったでしょうね。
Pretty Lady...丁寧なハーモニー、そして舞台の前景と背景を反転させるアイデアが気に入りました。
逆に、「Chrysanthemum Tea」は、独特のメロディと長い曲もあり...いささか飽きました。

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by snow_ny | 2004-11-20 02:31 | [演] entertainment
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